D.U.I.ビール一本の過失私はかなりお酒が飲めそうだと思われているようなのですが、実はアルコールを全く飲まなくても問題なく生きていける位、飲みません。飲んだとしても年間に右手だけで数えられる位です。BYBの生徒さん達の中にはアルコールの為に大変な思いをされた方がたくさんいます。 今月はDUI (Drunk Under the Influence) について、実際に捕まったBYBの生徒さんからのお話をもとに書いてみたいと思います。自分では大丈夫と思ってつい飲んでしまっている人達、絶対に自分だけは捕まらないと思っている人達、今月号の記事が少しでも役に立てばと思っています。 彼は去年の11月のある日、トーランスで友人と飲んでいました。彼の友人が心配して泊まるように勧めてくれたのですが、いつも飲む時よりそれほど量が多かったわけでもなかったので、彼なりに過信してノース・ハリウッドの自宅まで車を飛ばして帰ることにしたそうです。 彼はフリーウエイを降りるちょっと手前でCHP(California Highway Patrol)にスピード違反で止められてしまいました。このフリーウエイを降りて数分のところが彼の家だったのですが。彼は素直に「飲んでいる」事を警察官に言ったそうです。そして警察官によるアルコールのテストを受けた後、その場で逮捕されました。 血液検査、または息の検査を本人の選択で受けることが出来たので息の検査を警察で受けましたが、その時の結果はアルコール度0.12~0.13位だったそうです。(注:0.08以上だとDUIとみなされるそうです)もちろん、その人の体形によって同じ量を飲んでもアルコール度は異なりますが、彼はこの夜、4~5時間ぐらいかけてビールの大を3~4本と、ジンをボトル三分の一くらい飲んだといいます。 警察に連れて行かれる途中、警察官達は彼が「俺はなんてダメな人間なんだろう」と自分を責めるような事を言っていたら、「自分を責めるな。誰も怪我をしなかっただけでも本当に良かった」と言ってくれたそうです。 通常は捕まってから6時間以内には刑務所から出してくれるのですが、なんと彼の場合、今回が2回目でした。DUIで捕まると、そのRecord(記録)は7年経たないと消えません。この7年の最初の3年はProbation(執行猶予)がつきます。この間に捕まってしまうと、罪はかなり重くなるのです。彼の場合は5年目に入っていました。そんな訳で、彼は6時間で出してもらう事が出来なかったのです。 翌日、刑務所から友人に電話(刑務所からの電話は一日一度はかけさせてくれるそうです)をかけ、BailBond(保釈金)$7,500を払い、その日の夜に出る事は出来ました。 もし保釈金がない場合は、裁判所が決定を下すまで刑務所から出る事は出来ません。この場合は数日以上かかるようです。 彼はまず、DUI専門の弁護士に電話をかけました。捕まった時に免許証を取られてしまったので取り戻して貰う為です。万一裁判になった時の費用、3~6日分で合計$10,500を支払いました。 DUIで捕まった場合、裁判所とDMVの両方が絡んできます。彼が雇った弁護士はまずDMVで彼の免許証を返してくれるように頼みましたが負けてしまい、免許証は返してもらえませんでした。その間、弁護士も彼自身も今後の処置について何度も裁判所に出頭しなくてはなりませんでした。ご存知のように車社会の中で生活している私達ですから、車が運転できないとなると仕事にも行けないので、免許証を返してもらうことは彼にとってとても重要なことでした。 裁判所では、1. 血液中に含まれていたアルコール度に関しては無罪、2.お酒を飲んで運転していたと言うことに関しては有罪、という判決が下されました。彼の弁護士が再びDMVに審理をもちかけ、今回は無事に免許証を返してもらえました。この時、すでに捕まってから5ヶ月経っていました。彼の免許証はRestricted License(制限付き免許証)と呼ばれるもので、仕事と家の往復のみ許可されるものです。 彼は再び弁護士に$1,000支払いました。これはDMVで免許証を取り返すことが出来たことに対する報酬だそうです。 彼に対して出された有罪に関して彼がしなくてはいけない事柄がいくつかあります。 1. 罰金として市に$1,500支払う。 2. 18ヶ月間、裁判所より定められた講習を受ける。 3. 最初の一年は週一回の受講が義務づけられている。一年後からは月に一度になる。この間、36回のAAミーテング (Alcoholics Anonymous Meeting)に出なくてはならない。 4. County Jail (郡刑務所) に96時間入る。彼はCounty jailに入りたくなかったので、一日に尽き$161支払ってCity jailを希望した。(環境的には市の刑務所の方がいいというのがその理由だったそうですが、刑務所に入るのに$161ドル払うというシステムもなかなか興味深いところです) またこの間、学校からの手紙を持って半年ごとに裁判所へ出頭しなければなりません。 DUIで初めて捕まった場合、講習に通う期間は3ヶ月間、受講にかかる費用は$500、免許証もその時点でrestricted licenseとしてもらえます。ところが7年の間に再びDUIで捕まった場合、講習に通う期間は18ヶ月、受講にかかる費用は$1,350、そして免許証は取り上げになるのです。また、2回目となると執行猶予の期間が1年間長くなります。 現在、彼は免許証はあるものの仕事の合間をみて学校に通い、かなり大変な生活を虐げられています。今回の件で彼が使ったお金は全部で$16,000だったそうです。彼いわく「それでも安かったと思う。事故を起こしたり、誰かに怪我をさせたりしなかっただけでも、とてもラッキーだったと思う」と言っていました。 今後、彼には4年間の執行猶予がつきます。万一この間に再びDUIで捕まったりした場合は、その場で一年間の刑務所行きが待っています。執行猶予の時に捕まった場合はアルコールの量が0.08以下でもその場で捕まるそうです。極端な話、車に乗る時だけではなく、家にいる時でもお酒は飲まないようにと言われたそうです。つまり、「飲んだら運転するな」ではなく、「お酒をやめなさい」ということです。 彼のようにお金が払える人は良いのですが、参考までに万一お金がなくて弁護士を雇えない場合についても書きましょう。1. County Jail4日間、2. $1,500の罰金、3. 免許証は1年間Suspend(保留)され、その後半年間はRestrict(制限される)免許証になるそうです。 自分だけは捕まらないと過信している時が一番危ないのです。お酒を飲んだら運転しない!今日から実行して下さいね。 |